布団を干せた日

感じたことや映画・本の感想など

オーロラの彼方へ(感想・ネタバレあり)

オーロラの彼方へ(2000年)(25本目)

 

面白かったです。

 

主人公はある日、無線機で30年前に死んだはずの父親と通信が成功

オーロラのおかげで時空の歪みが発生してるぽいとのことで、いつ切れるかわからない通信の中で、主人公は父親を救おうと、、、

 

みたいなあらすじで、私も「ふんふん、父親を救おうとするけどうまくいかなくて、ぎりぎりで救える系かな」と思ってみたんですけど、全然違いました!

 

父親を救うところは起承転結の起でした。

観ながら、「え、お父さん助かったけど、まだ映画全然あるけど!?」ってなって、映画の展開が俄然気になりました。

 

そして、想像がつかない中、「お母さんが代わりに死んじゃう」という展開がきます。

このお母さんが事件に巻き込まれる形が自然で、看護師さん、お父さんが生き残り、お母さんの仕事場に愛を伝えに来たばかりに、タイミングよく連続殺人犯の命を救ってしまう、、という。バタフライエフェクトがいい感じです。

 

で、この伏線が前半に、お母さんの胸元のアクセサリーのアップとか、さりげなく映る写真とか、主人公でもお父さんでもないトラックの運転手から始まる冒頭の車内ラジオで連続殺人犯のニュースを流しておく、とか、、、

 

エンタメ映画は後半の伏線を前半に何重も降り重ねてると、観客のあは体験に繋がるなと感じました。

 

秀逸だったのは、後半の現代と過去が入り乱れるシーン。そして敵はどちらも同じ連続殺人犯。そして現代の自分を助けたのはラジオから流れてきた過去の家族の声。

 

シーンの時間的には長くなく、畳み掛ける緊迫感がよかったです。

 

唯一、展開予想で当たったのは、お父さんの寿命が伸びまくって、今も生きてる。というところです。最後の最後のシーンは、孫まで生まれていて、恋人ともうまくいって、ていうのが少し急に感じるこれでもかハッピーエンドなので、個人的には、両親がいて、友人の車がベンツになって、ナンバープレートがヤフーだけでも十分でした。が、アメリカ映画ぽくていいんじゃないでしょうか。

 

あと良かったのは、友人たち。父の友人兼主人公の上司が野球で信じるシーンとかはあるあるですが、いいですよね。あと、ベンツの友達もヤフーを忘れずにいたこととか、ヤフーを教えてあげる主人公との仲の良さとか、儲かっても一緒に野球してくれる友達の良さとか、家族愛、友情が温かく描かれていました。

 

とことんハッピーなので、元々あった記憶もなくならないし、変わった過去の記憶もあるしという設定です。タイムパラドックスものって結構この辺ややこしくなりますよね。過去は変わっても世界線は変わらないとか。この映画は一応の説明が優しくされているので、そこまでモヤモヤせずに見れると思います。

 

変えるならばタイトル、、「オーロラの彼方へ」って、幽霊とか妖精とか、もうちょっとファンタジー色強めな感じを想像してしまいませんか?

マイリストに登録していたものの、ジャケットと相まって今は気分じゃないな〜と遠ざけていました。

英語の原題は「Frequency」。

意味は「周波数」らしいです。

私も個人的にはこのタイトルの方が好きなのですね。

 

家族でハッピーなタイムパラドックスが観たい時にはどうぞ!