布団を干せた日

感じたことや映画・本の感想など

ドライブ・マイ・カー 感想(ネタバレあり) 

 

ドライブ・マイ・カー

 

先日、U-NEXTで観ました

 

アカデミー賞、受賞おめでとうございます

 

その影響もあって、映画館でも満席だとかなんとか、、

 

あらすじ

主人公は妻と突然の死別を体験する

演劇祭を通して出会う、妻の浮気相手や娘が生きていたら同い年の運転手など、さまざまな人との関わりを通して、妻に言いたかったこと、妻が言いたかったことを考える。前を向き進んでいくまで

 

感想

「好きな男子の家に忍び込む女生徒の話」

だけ、めちゃくちゃ読んだことのある、既視感のある話で

でも本筋の、肝心のドライブ・マイ・カーの話に既視感がなくて

 

「あれ?」

と感じていたのですが

 

そもそもの原作が短いページで、映画化にあたって、同時期に書かれた「好きな男子の家に忍び込む女生徒の話」が映画の脚本に組み込まれたらしいです

 

メッセージは映画の中の劇を通して、視聴者に伝わっていくシーンも多くあり、抽象的に話は進んでいきます。

淡々としたセリフがそのラインのみを与えて、見る人の心を移すかのように

ラストシーンでは主人公の胸のうちが明かされ、ラインの中身が満たされていったように感じました

 

岡田将生の役は抑揚を抑えず、欲望も抑えないキャラ。夫が嫉妬してしまう存在であったことが、キャラの対比で表されていたと思います

 

序盤のシーンで奥さんが「あなたは子供欲しかった?」という夫に聞く場面で夫が「君が求めていないものを求めても仕方がない」というような答え方をするのですが、

 

「あ〜〜、奥さんが欲しいのはそういう答えではないのでは〜〜」「一緒に悲しみたいじゃない〜〜〜」とか思ってたのですが

主人公も同じことを感じていたっぽく、夫婦のすれ違いというか、ちゃんとするっていうのは難しいなと思いました

 

自分の領域に人を入れることを許し、運転の座を譲り、車内でタバコを吸っていき、最後は運転手に大事な車を譲る。(主人公に影響を受け、運転手も自分の進みたい方向に車を向け、顔の傷も手術した様子のラスト。人生を運転するという意味も掛け合わせられている?)

 

だんだんと執着、進めなかったものから進んでいく描写が、言葉でないところでも表されているところが良かったです。

 

淡々とした感じや、抽象的、察しての漂う感じ、日本ぽいなと思いました。

あまり、こういう映画は日本で大ヒットはしないかも知れませんが

今回アカデミー賞も受賞したことですし、いろんな人が観ることになるのは

とても良いことだなと思います